「どうして学校の椅子は木からプラスチックに変わったの?」に答えます!
新年あけましておめでとうございます。商品企画のカマダです。
2018年も、4週目に突入しました。
昨年は大変ありがたいことに、学生さんの取材(学校祭の壁新聞など)が多い年でした。
そこで2018年一発目のトピックスは、質問タイムで子どもたちからよく聞かれた(私も子どもの頃気になっていた)「どうして学校の椅子は、木からプラスチックに変わったの?」に、答えていきます!(今回から目次を作ってみました)
- どうして学校の椅子は木からプラスチックに変わったの?
- プラスチックの椅子が解決した「子どもたちのジャージやタイツのひざ裏毛玉問題」
- プラスチックの座面の凹凸の秘密
※この記事内では、「背板・座板が合板の椅子」→“木の椅子”、「背板・座板がポリプロピレンの椅子」→“プラスチックの椅子”と表現しています。
1. どうして学校の椅子は木からプラスチックに変わったの?
これは、学校用家具のJIS規格が全面改訂(JIS S 1021)され、材料の種類に『合成樹脂成型品(プラスチック)』が追加されたからです。これによりイチムラは、プラスチックの中でも『ポリプロピレン』という材料を使用しています。木からポリプロピレンに変わったポイントは、以下の5点です。
- 当時、手に入りやすい材料だった
- 寒さに強いため、例えば冬の冷え切った教室や、出荷前に工場で保管しているときにも割れない
- 十分な強度があり、適度な弾力性もあって座りやすい
- 汚れても、中性洗剤等で拭けば簡単に落とすことができる
- 焼却処分するときに、有害物質であるダイオキシンを発生しない
特に4点めに関してご説明すると、ポリプロピレンは炭素と水素だけでできている材料です。そのため焼却処分するときには、水と二酸化炭素しか発生しません。子どもたちにも地球にも優しい材料です。
このような上記の理由から、イチムラだけでなくたくさんのメーカーもポリプロピレンを採用していきました。業界で主流の材料になっていったのです。
ここまで、化学が苦手な私には難しい内容でしたが…
次の項目ではもっと身近なプラスチックの椅子が解決したあの問題についてご紹介します!
2. プラスチックの椅子が解決した「子どもたちのジャージやタイツのひざ裏毛玉問題」
それまでの木の椅子では、『座板のひざ裏にあたる側出たささくれに子どもたちのジャージやタイツが引っ掛かり、ひざ裏が毛玉でぼそぼそになってしまう』という頭を悩ませる問題がありました。
その対策として、木の背板と座板にはクリア塗装という表面がつるつるになる加工を施しています。これはささくれの原因となる『乾燥、ひび割れ、傷』などから木の表面を守るためです。
しかし十数年以上使い続けると、どれだけ大切に使っていても端から少しずつささくれが出てきてしまい、それに子どもたちの衣服が引っかかり、毛玉ができてしまうのです。(写真はジャージの毛玉イメージです)
材料をささくれの心配がないプラスチックに変え、改良を加えたことで「子どもたちのジャージやタイツのひざ裏毛玉問題」を無事に解決することができました!
3. プラスチックの座面の凹凸の秘密
凹凸の目的は、「子どもたちが正しい姿勢をできるだけ長時間保てるように」するためです。つるんとした木の椅子に比べこの凹凸のざらざらが衣服と摩擦してお尻がずるずると前に滑りずらくなり、正しい姿勢を保ちやすくなっています。ちなみに背板も同じように凹凸しています。1つ1つは小さいですが、こんなに大きな役割を果たしています。
商品詳細
商品名:教室用スタッキング椅子
型式:A-105CP(グッドデザイン賞受賞製品)
価格:¥14,300(本体価格:¥13,000)
寸法:下記表をご覧ください
背板・座板:PP樹脂ブロー成型品
フレーム:スチール丸パイプφ22.2、スチール楕円パイプ37×14、メラミン静電焼付塗装
脚キャップ:PP樹脂成型品(サレドきゃっぷ)
スタッキング:最大4脚まで
カラーバリエーション:グリーン、ダルイエロー
号数 | 6号 | 5.5号 | 5号 | 4号 | 3号 | 2号 |
身長の目安 | 180cm | 173cm | 165cm | 150cm | 135cm | 120cm |
座面の高さ | 46cm | 44cm | 42cm | 38cm | 34cm | 30cm |
最後に
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
今回は子どもたちから質問が多かった「教室用スタッキング椅子 A-105CP」をご紹介しました。
普段学校で何気なく使っている椅子には、子どもたちのことを考えたたくさんの大人たちの色々な工夫が込められていました。カマダの次回更新予定は、3月21日です。お楽しみに!